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皇漢堂林薬局

◎女性の病気  その3:不整出血について
まだ生理じゃないのに出血したけど大丈夫?
確かにこのような不正出血の場合に、子宮ガンや子宮筋腫などの場合もありますから必ず婦人科で検査を受けてください。

もし上記のような特別な病気でない場合は、まずホルモンのバランスが崩れたためのものですから、西洋薬ではホルモン剤や止血剤を用います。

しかし、ホルモン剤で副作用が心配な場合や、薬を服用すれば止血しますが、やめるとまたすぐ再発する場合などは、漢方薬で出血の原因となるホルモンバランスを調えることで完治することも多いものです。
中国医学では不正出血はどのように考えるの?
生理の仕組みでもお話したように、排卵のあと厚くなった子宮内膜が妊娠していない場合には必要がなくなって破壊されて出血します。そうなると、妊娠していないことを判断する前に子宮内膜が破壊されてしまうために出血することを不正な出血と言うのです。

その原因として(1)気虚(ききょ)、(2)血虚(けっきょ)、(3)血熱(けつねつ)、(4)淤血(おけつ)などのタイプに分けて考えます。前回の生理不順のお話の「月経前期」と同様に考えます。

○体質からのタイプを分ける。
(1) 気虚(ききょ)
 身体の元気がない場合で子宮内膜の働きが弱くて厚くなる前に崩れてしまい出血する場合です。疲れやすく、食が細く、体力がなく、出血も色が薄く少量でだらだら続く場合です。身体の元気を補う効果が主体になる漢方薬を用います。胃腸が弱くて下痢しやすい人は胃腸の働きを活発にする漢方薬を用います。
(2) 血虚(けっきょ)
血を蓄える力が足りない人です。中国医学では食べ物から製造された血を蓄える臓器は肝です。肝はストレスがかかったり、目を酷使したりすると働きが弱くなります。そうなると十分に血が蓄えられなくて、めまい、貧血、のぼせと冷え、不眠などとともに不正出血を生じやすくなります。
このような場合には、血を蓄える力を増す効果のある漢方薬を用います。
(3) 血熱(けつねつ)
辛いものや肉類などを好み、興奮しやすかったり、暑がりの人の場合には、高温期になると熱が助長されて血熱となります。子宮内膜は充血状態になり出血します。出血は熱のために粘りやすく気虚や血虚の人より色も濃くなります。固まりを混じる場合もあります。
このような場合には、血熱を冷ます作用のある漢方薬を用います。
(4) 淤血(おけつ)
気虚や血虚や血熱などが慢性化すると血の流れが悪くなり停滞して淤血が生じます。ストレスが続いてもやはり血が停滞します。
淤血が生じますと血流が阻害されて子宮内膜の成長が阻害されて破壊されやすくなります。出血に固まりが混じり、おへその左側を圧迫すると硬くて痛い場合は淤血がある証拠です。このような場合には血の流れを良くして淤血を流し去る効果のある漢方薬を用います。

●この原稿は日本中医薬研究会のHPにも連載記事として掲載されています。