PTSD
Author: koukando
東京に住む親友が、仙台に出張中に震災に遭いました。
翌日の朝六時、ホテルのロビーに大勢の人たちと避難しているとのメール連絡をもらってから5日間まったく連絡不能となりました。
そして5日後に、やっとメールが来ました。そのメールの内容は、「無事に東京へ戻る事が出来ました。
暫く仙台にいましたので、メールの返信が出来ませんでした。11日仙台市内で被災に遭いました。ライフラインが全て止まり、交通も遮断、ホテルの部屋は一切使用出来ず、宿泊客はロビーが避難所になりました。約200人位の方達で、歩く場所も無いほどです。最初の3日間は、ゆで卵一個、水はペットボトル一本だけ。私は糖尿を抱えていましたので、食料が無いことで低血糖になり角砂糖を頂いて飢えと低血糖を凌ぎましたが、翌日も2回低血糖状態に陥り、地震で死ぬのかと思ったのですが、低血糖になった時は、本当にもう駄目だと思いました。食べる物、飲み水も一切無く、じっとする他ありません。このままでは本当に死んでしまうのではと、同じ被災されている方達から東京へタクシーで帰りましょうとお誘いを頂きました。情報も全く無いところで、タクシーの運転手に交渉してもらったり、タクシー会社も福島県以南行ってはいけないという事になっていたらしいのですが、埼玉県まで行ってもらいました。埼玉からは電車を乗り継ぎ昨日戻る事が出来ました。身体がおかしいので行きつけの総合病院で診て貰いましたが、糖尿は大丈夫だから、心療内科に行くように言われ、診察をしたところPTSDと診断されました。未だに左右の目の見え方が違い、身体が、ず~っと揺れています。」、 PTSDとは、「心的外傷後ストレス障害」と言われるものです。
親友のように実際に震災の真っただ中を体験していない軽い震度の地区の人たちの中にも、今回の横揺れはめまいと勘違いし、そしてその後、震災のニュースを毎日のように見せつけられたストレスと相まって、同様に身体の揺れが止まらなくなった患者さんの相談を受けます。なかなかトラウマが消えることはありません。少しでも気持ちを他に向けられるようにアドバイスできたらと思います。 皇漢堂