甘茶(あまちゃ)
Author: koukando
昨日は毎月第2日曜日に開催される東海漢方協議会という研究会での講義に行ってきました。
会場は名城大学薬学部です。
大学構内に入ると歩道脇に薬用植物の鉢植えが並んでいます。
毎月そのときどきに違った植物の花が咲いているのを見るのが楽しみになっています。
昨日は「甘茶」が満開でした。
「甘茶」は、アジサイの一種ですので、今が盛りです。
「甘茶」は、薬草として服用されることはなくて、お釈迦様の花祭りのときに飲むのが日本では風習となって残っています。
これは、もともと発祥の地であるインドや中国では「甘草」という薬草が使用されましたが、
日本ではその時代に甘草は手に入らなかったので、同じ甘い味のでる甘茶を代用品として使用してきた歴史があります。
この甘茶ですが、数年前に不作の年があり、買い占めがあって、日本中の薬局薬店でまったく手に入らなくなった年があります。
そのために、急激な値上がりになり、それまでの3倍くらいの値段に跳ね上がりました。
最近はそのような物不足はなくなりいつでも手に入るようになりましたが、値段は上がったままになってしまいました。
一番品質の良いのは日本産のもので手もみして製造されているものですが、
安いものは、機械もみとか、中には手もみと称しているけど中国産の甘茶を使用して値段を安くしているところもあります。
薬というより、風習としてやっているだけなので、そこまで品質にこだわることはないと言われればそこまでですが、
仏教系の幼稚園などで子供たちにふるまいますから、できればより安全で質のよい製品を使ってもらいたいですね。
値段が高いことがネックならば、もともと本家で使用した安価な甘草を混ぜることで同じ甘味はでますので、
そのように私のところではお奨めしています。
ただ甘草は、あまり濃いものを服用すると副作用など出る可能性がありますので、あくまで少量足すくらいが良いでしょう。